ホロライブのファンコミュニティには、5ちゃんねる上で展開されている「ホロライブ有実況スレ」と呼ばれるスレッド群があります。
これはホロライブに関する話題を匿名掲示板でリアルタイムに語り合う場であり、独特の歴史や文化を持っています。
本記事では、その起源から現在までの歩み、利用される掲示板の特徴、スレ内の主要な話題や投稿スタイル、過去の代表的な事件や盛り上がった出来事、スレ特有の用語や内輪ネタ、参加時の注意点、公式との関係性、そしてVTuber文化全体における位置づけについて、初心者にもわかりやすく解説します。
ホロライブ有実況スレの起源と歴史的背景
ホロライブ有実況スレの起源は、ホロライブが黎明期にあった2018年頃にまで遡ります。
当時ホロライブ1期生が活動を開始した2018年6月1日、5ちゃんねるのYouTube板(当時VTuber関連の話題を扱っていた板)に最初のホロライブ関連スレッドが立ったと考えられています。
このスレは当初、ホロライブを批判・中傷する「アンチスレ」として発祥しましたが、後にファンも巻き込んだ独特の雑談スレへと発展していきました。
ホロライブが2019~2020年にかけて急成長するとともに、このスレッドも凄まじい勢いで消化される人気スレとなり、1000レスに達するごとに「◯◯スレ#2」「#3」…という形で次々と新スレが立ち、現在では#6000を超える長寿シリーズへと続いています。
元々アンチスレとして始まった経緯から、初期のスレッドではホロライブメンバーへの批判的な書き込みも多く見られました。
しかしファンの間でも「匿名で本音を語れる場」として次第に注目され、アンチとファンの境界が曖昧な独特の空間が形成されていきました。
スレの発祥がアンチスレであることを知らずに参加していた人も多く、実際に2020年末頃には「比較的まともに配信を楽しんでいたこのスレがアンチスレ発祥だったなんて驚きだ」という声も上がっています。
たとえば2020年12月に開催された「ホロライブ2nd Fes.」の際には、このスレでも多くのファンが感動を分かち合い、肯定的なコメントで盛り上がっていたことが確認されています。
こうした経緯から、ホロライブ有実況スレは単純なアンチの集まりではなく、批判も称賛も入り混じった特殊な“ファンコミュニティ”へと変貌していきました。
スレが立てられる掲示板とその特性
ホロライブ有実況スレが主に利用されているのは、匿名掲示板「5ちゃんねる」の「ストリーミング実況板(通称:実況板)」です。
5ちゃんねるは匿名で書き込める日本最大級の電子掲示板で、スレッド形式で議論が行われます。
実況板はリアルタイムの実況(同時視聴や生放送の感想を逐次投稿すること)を許可された板であり、配信を見ながら高速で書き込みが行われるのが特徴です。
一方、5ちゃんねる内には実況を禁止している板も存在し、かつてVTuber全般を扱っていたYouTube板では「実況禁止」のルールが定められていました。
ホロライブアンチスレ(当時このスレはアンチ的な内容が多かった)は長らくYouTube板で続いていましたが、2021年2月に実況禁止の取り締まりが強化されたことで板を追い出される形となりました。
その後、アンチスレ住民たちは一時的に他の板(嫌儲板、なんJ板など)へ流れましたが、最終的には実況可能なストリーミング実況板に移住し、現在の「ホロライブ有実況スレ」が定着するに至っています。
ストリーミング実況板では、書き込みと同時にIDが表示されない設定でスレが立てられることが多く、匿名性がより強固になります。
ID非表示(ID無し)のスレでは、一人のユーザーが自作自演で複数の書き込みを装うことも可能であり、議論が白熱すると短時間で大量のレスがつくのが特徴です。
ホロライブ有実況スレもその例に漏れず、一見大勢が賛同しているように見える意見でも、実際には少人数が騒いでいるだけの場合もあると指摘されています。
こうした匿名ゆえの玉石混交ぶりがスレの賑やかさを生む一方、情報の信憑性という点では注意が必要です。
なお、有志によって派生的にID表示ありのスレ(通称:ID有りスレ)が立てられたこともあります。
ID有りスレでは各投稿者に固有IDやワッチョイ(識別子)が付き、自作自演が困難になるため、荒らしが減り比較的落ち着いた議論が行われました。
実際、ID有りスレでは他社VTuberの熱狂的ファン(いわゆる“他箱の信者”)による荒らし行為も少なく、ホロライブへの苦言や批判はあるものの露骨な中傷は控えめだったとされています。
しかし基本的にはID無しの本流スレの勢いが圧倒的であり、ID有りスレは一時的な避難所的役割に留まりました。
補足しておくと、5ちゃんねるにはホロライブの本来のファンスレも存在します。
例えばVTuber板(旧YouTube板)に立てられている「ホロライブ総合スレ」がそれに当たりますが、こちらはファン同士が穏やかに情報交換する場であり、荒れにくい代わりに書き込み速度が遅い傾向があります。
一方でホロライブ有実況スレは良くも悪くも“なんでもあり”の雑談所であり、公式では語りにくい話題や辛辣な意見も飛び交う点で公式ファンディスコードやTwitterとは異なる雰囲気を持っています。
スレでの主な話題と投稿スタイル
ホロライブ有実況スレでは、ホロライブに関するあらゆる話題がリアルタイムで議論されます。
主な話題としては、各ホロライブメンバーの配信実況・感想、ライブイベントや新企画のリアクション、運営(カバー株式会社)の方針に対する意見、他社VTuberとの比較論、SNS上の動向、グッズや楽曲の話題、さらにはメンバーに関するゴシップ的な話まで多岐にわたります。
配信中であれば「○○(メンバー名)が今○○を歌ってて草(面白い)」のようなリアルタイム実況が次々と投稿され、誰かが重大発表をすれば即座にスレ民総出でその内容を議論し、炎上案件があれば瞬く間に批判や擁護のコメントで埋め尽くされます。
このように24時間いつでも誰かがホロライブ関連の話題で盛り上がっているため、“ホロライブ専用チャットルーム”のような様相を呈しています。
投稿スタイルは5ちゃんねる特有の匿名・簡潔な文体が主流です。
基本的に一つの投稿(レス)は短文であり、長文の考察よりも瞬発的なリアクションやネタ投稿が多いです。
例えば配信で面白い場面があれば即「○○草」(○○面白すぎて笑ったの意、草=笑いを表すネットスラング)と書き込まれたり、感動的なシーンでは「泣いた」「尊い」といった端的な感情表現が並びます。
また、他の掲示板利用者へのレスアンカー(>>123のように引用先レス番号を指定する記法)を使って会話が飛び交うのも特徴です。
複数の話題が同時進行することも多く、あるユーザーは○○の配信実況をしつつ、別のユーザーは△△の炎上について議論するといった風に、一つのスレで並行して話題が展開されます。
スレ内では独自の略語やネットスラングも多用されます。
たとえば「同接〇〇」といえば「同時接続視聴者数が〇〇人」という意味で、配信の盛り上がり指標として頻繁に比較材料にされています。
また感情を表す「草」「草生える」(笑う)、驚きを表す「ファッ!?」、同意を求める「せやな」など典型的な5ちゃんねる語も飛び交います。
これらは他のネットコミュニティでも見られる言い回しですが、ホロライブ有実況スレでは特に反応の速さと熱量が特徴的です。
人気メンバーの配信中には数秒と経たずに新レスが投稿され続け、一つの話題でスレが埋まることもしばしばです。
まさに高速な流れの中で、匿名ならではの忌憚ない意見やジョークが飛び交うのがホロライブ有実況スレの日常的な光景と言えます。
スレで起きた代表的な事件や盛り上がり
ホロライブ有実況スレでは、過去に様々な事件や話題がスレ民の熱狂や論争を巻き起こしました。
ここでは、その中でも特に有名なものをいくつか取り上げ、スレでの反応や影響を振り返ってみます。
兎田ぺこら「ルナルナ騒動」は、2021年3月に発生しました。
ぺこらの配信中、誤ってスマホのホーム画面が映り込み、そこに女性向けの生理管理アプリ「ルナルナ」のアイコンが表示されたのです。
この出来事は瞬時にスレに共有され、「ぺこらのスマホにルナルナ!?」「ぺっこりゃあ…」といった反応が殺到しました。
「ルナルナを使っている=彼氏がいる」という早計な推測もスレで飛び交い、一時はスレの勢いが爆発的に加速しました。
しかし実際には、ルナルナは多くの女性が自身の体調管理に利用している一般的なアプリであり、騒ぐような内容ではありませんでした。
それにもかかわらず、スレでの反応をまとめサイトが取り上げ、「ルナルナでファン発狂」などと誤解を煽る見出しが拡散しました。
結果的にTwitterで「ルナルナ」がトレンド入りする事態にまで発展し、匿名掲示板から外部へ影響が波及した典型的な例となりました。
後日、スレ民の間では「あれは本当に発狂してたんじゃなくて、内部情報が映ったことに焦っただけだよな」と冷静な振り返りも見られました。
この一件は、「エア炎上」や「ガイガイ」などスレ特有の概念が形成されるきっかけにもなりました。
桐生ココの卒業発表は、2021年6月に行われました。
ココの卒業は事前予告なしに発表されたため、スレには「嘘だろ…?」「なんで…?」といった書き込みが相次ぎました。
普段は冷笑的な書き込みが多いスレでさえ、このときばかりは悲しみと動揺の声が多くを占めました。
卒業ライブ当日には、配信が開始されるや否や「同接〇〇突破!」「50万人見てる!?化け物か!」と実況が盛り上がりを見せました。
ライブ中は涙ながらに別れを告げるココに対して、スレでも「泣いた」「ありがとうココ」といった言葉が並び、異例の一体感が生まれました。
配信終了後は「ホロライブの時代が一つ終わった」と語るレスもあり、スレ住民にとっても象徴的な出来事だったことがうかがえます。
魔乃アロエのデビュー炎上と卒業も、スレでは大きく取り上げられました。
2020年8月、ホロライブ5期生としてデビューした魔乃アロエは、過去の配信やSNSの発言が掘り返され、炎上状態に陥ります。
スレでは連日この話題が取り上げられ、「アロエやばすぎる」「運営チェックしてないのか」といった声が多く寄せられました。
結果的にアロエはわずか2週間で活動終了(契約解除)となり、これがスレでも強く印象づけられる出来事となりました。
また、この件をきっかけに運営が「悪質な中傷への法的措置」を示唆する声明を発表するに至り、スレ内でも「限度を超えたら訴えられるぞ」と自戒的な反応が見られるようになりました。
その他にも、潤羽るしあの契約解除、ラプラス・ダークネスのSNS騒動、常闇トワの発言トラブル、不知火フレアの誤解による炎上、宝鐘マリンの海外ミーム問題など、スレで大きな話題になった出来事は数多く存在します。
これらは一つ一つが配信者・ファン・運営の間で微妙な温度差や誤解を生みやすく、スレではそうした「ズレ」に敏感な議論が交わされてきました。
そのため、時に過激に見えるスレの反応も、背景には鋭い分析や愛ゆえの苦言が含まれていることがあります。
スレ特有の用語や内輪ネタ
ホロライブ有実況スレには、独特な用語やスラング、内輪ネタが数多く存在します。
これらはスレ内で自然発生的に生まれ、繰り返し使われるうちに定着したものであり、初心者には意味がわかりづらいこともあります。
ここでは代表的な言葉をいくつか紹介し、その背景と意味を簡単に解説します。
「ガイガイ」は、スレ特有の頻出語です。
これは「外部から来た頭のおかしい人が暴れている」という意味で使われ、主に荒らしや過激なファン、アンチなどに向けられる揶揄です。
また、スレ外の出来事がスレに持ち込まれて騒ぎになることも「ガイガイしてる」と表現されます。
一見ふざけた表現ですが、実際にはスレを荒らすような振る舞いへの警戒や皮肉が込められています。
「あっこりゃあ」もスレ文化を象徴するフレーズです。
これは「察し」や「やべえ」といった意味合いを含み、問題が起きた時にあえて曖昧なまま状況を共有するための言葉です。
明言を避けつつ空気感だけを伝える、スレ独特の“間”を楽しむような使われ方をします。
ぺこらに関して使われる派生語「ぺっこりゃあ」なども、同様の意味合いで用いられます。
「質(しつ)」という一文字も、スレで頻繁に使われる言葉です。
これは配信の内容が面白い・感動的・完成度が高いなどの意味で、「今日は質があった」「質が高すぎて涙出た」などのように使います。
逆に、「質がない」と言えば内容が薄かったり期待外れだった配信を指す否定的な表現になります。
数字(再生数や同接)では測れない体験の良さを評価する、スレ住民なりの価値基準といえるでしょう。
他にも「案件」(企業案件配信)、「コーン」(ユニコーン=恋愛に厳しいガチ恋ファン)、「衛門」(加藤純一ファンの総称)、「ムシキング」(数字競争を指すミーム)など、さまざまな造語が飛び交います。
中には他所の板や文化圏から輸入された用語もあり、スレは巨大なインターネットスラングの交差点とも言えます。
これらを無理に使おうとする必要はありませんが、意味を理解しておくことでスレの流れが読みやすくなるはずです。
閲覧・参加における注意点
ホロライブ有実況スレは匿名掲示板の一形態であり、他のSNSとは大きく性質が異なります。
参加する際にはいくつかの注意点を理解しておく必要があります。
以下では、初心者が安心してスレを利用するために知っておくべきポイントを解説します。
まず大前提として、スレ内の情報は玉石混交です。
事実もあればデマもあり、信頼できる考察もあれば煽り目的の戯言も混ざっています。
書き込みはすべて匿名で行われるため、投稿者の身元や背景がわかりません。
そのため、「5chに書いてあったから本当」とは決して思わず、自分の頭で判断することが重要です。
特に注意が必要なのは「中の人情報」や「運営関係のリーク」などを装った書き込みです。
これらの多くは憶測や妄想、あるいは荒らしによる扇動目的の投稿であり、裏付けのないものがほとんどです。
センセーショナルな話題ほど釣られやすいため、冷静にスルーすることが求められます。
また、スレにはいわゆる「馴れ合い禁止」「空気を読め」という暗黙のルールがあります。
突然丁寧語で自己紹介を始めたり、初心者であることを前面に出すと「空気が読めない」と叩かれることがあります。
基本的には「ROM(Read Only Member=読む専)」としてしばらく様子を見るのが無難です。
過去に何度も話題になった質問を繰り返すと、「テンプレ読め」「ググれ」と返されることもあります。
初見で書き込む前に、直近数スレを読んでスレの流れやネタを把握しておくとよいでしょう。
スレでは過激な発言や下品な言い回しも珍しくありません。
一部には悪意を持って配信者やファンを攻撃する投稿もありますが、それらすべてを真に受ける必要はありません。
スルースキルを持つことが掲示板文化を楽しむための最低条件です。
一方で、特定の配信者への誹謗中傷や差別的発言を繰り返す行為は、法的措置の対象となる可能性があります。
過去には実際に運営側が告発に踏み切った事例も存在し、匿名だからといって完全に自由というわけではありません。
責任ある言動を心がけましょう。
最後に、スレ内のスクリーンショットや発言をそのままSNSへ転載する行為はトラブルの原因になります。
いわゆる「スレのノリを外に持ち出すな」という不文律があり、これを破ると荒れることが多いです。
スレはあくまでスレ内で完結する場であり、その文化を理解して節度を守ることが求められます。
ホロライブ公式との関係性や距離感
ホロライブ有実況スレは、ホロライブ運営であるカバー株式会社とは一切関係のない、完全な非公式のファンコミュニティです。
スレッドはあくまで匿名掲示板であり、カバーやタレントが関与していることは公に確認されていません。
むしろ、公式からすれば「ノイズが多く、距離を取るべき場所」という認識が強いと考えられます。
カバー株式会社はこれまでに、誹謗中傷や虚偽情報の拡散に対して法的措置を取る意向をたびたび表明しています。
その対象となるのは主に匿名掲示板やSNS上の悪質な投稿であり、有実況スレもその例外ではありません。
とくに、魔乃アロエ卒業時や潤羽るしあ契約解除時には、運営から明確に「悪意ある投稿」に警告が発せられました。
ただし、こうした対応は基本的にスレそのものを問題視しているというよりも、極端で悪質な投稿に限定されたものです。
スレの存在そのものを否定するような発言はなく、あくまで「行き過ぎた場合」の対処に留まっています。
一方、ホロライブメンバー本人がスレを見ているかどうかについては、明言されたことはありません。
しかし、エゴサーチ(自分の評判検索)の一環で閲覧している可能性はゼロではないと考えるファンもいます。
実際に、「○○ってスレで言われてること気にしてそう」などと察するコメントがたびたび投稿されています。
とはいえ、タレント側が自ら実況スレの存在を口にすることはなく、あくまで「見てないことになっている」スタンスが一般的です。
これは運営やタレントにとって、あくまで公式とは切り離された“影のコミュニティ”であるべきという距離感が保たれているためです。
また、公式のファン向け交流の場としては、YouTubeコメント欄、Twitter、ホロジュールや公式ディスコード(EN向け)などが存在します。
それらと比べて実況スレは圧倒的に自由で、タブーを気にせず議論できるという点で、裏のファンコミュニティとして機能しています。
そのため、有実況スレの利用者も基本的には「ここで何を言っても公式に届くことはない」という前提で語っています。
これはある種の諦めであり、同時に自由な発言を担保する要素でもあります。
スレ民の中には、「ここで冷静に意見を言えるからこそ、表の空気とは違う視点が得られる」と語る者もいます。
それはつまり、公式と一線を画しつつ、ホロライブ文化の一部を担う“非公式アーカイブ”のような役割を果たしているということです。
VTuber文化全体における位置づけ
ホロライブ有実況スレは、VTuber文化における“裏側の言論空間”として独特のポジションを築いています。
それは、表のSNSや公式コミュニティでは語られない本音や疑問、愚痴や風刺が交わされる場所としての機能です。
VTuberは本来、アイドルや声優に似た「表の顔」を重視するエンタメジャンルです。
そのため、ファンコミュニティにおいても、基本的にはポジティブな感想や応援メッセージが中心となります。
TwitterやYouTubeのコメント欄では、マナーと建前が保たれる傾向があります。
一方で、有実況スレは匿名性の高さと即応性から、時に過激で鋭い意見が集まる場でもあります。
それはまるで、プロ野球における「外野席」や、ライブ会場の「後方観客席」のような、自由で無責任な声の集まりです。
ただし、それが常に悪い方向に働くわけではありません。
スレでは「なぜこのタレントの企画は伸びないのか」「運営の判断は妥当だったのか」など、ある種の批評精神も存在します。
表の場では言いづらい問題提起や提案が、スレならではの言葉で語られることもあります。
このような匿名掲示板文化は、日本におけるインターネット文化の根幹に近い存在であり、VTuberのようなデジタルコンテンツとの親和性も高いです。
にじさんじ、Vshojo、.LIVEなど、他グループのVTuberにも実況スレやアンチスレは存在し、似たような構造を持っています。
つまり、有実況スレの存在はホロライブに限らず、VTuber業界全体の裏面を形成する重要な要素となっています。
さらに、スレ内で生まれたミームや表現がまとめサイトやSNSを通じて拡散されることで、文化の表層にも影響を与えることがあります。
「ぺっこりゃあ」「ムシキング」「質」などのワードは、元をたどれば実況スレ発祥である場合も少なくありません。
逆に、SNSの話題や炎上がスレに持ち込まれ、解析・検証が進むケースもあります。
そうした流れの中で、有実況スレは“インターネット上の脳内会議室”のような存在として機能しているのです。
もちろん、スレの存在は賛否を呼びます。
「誹謗中傷の温床」「アンチの巣窟」と非難されることもあれば、「本音が言える貴重な場」と評価されることもあります。
その評価は見る者によって異なり、一面的に捉えることはできません。
重要なのは、スレをどのように使うか、そして情報をどのように受け取るかです。
VTuber文化をより深く理解するための一助として活用することは可能ですが、それには批判的思考と節度が求められます。
つまり、有実況スレはVTuber文化の“裏の図書館”であり、“時に暴走するファンの居酒屋”でもあります。
それをどう読み解くかは、読者次第です。
管理人のひとこと
この記事では、ホロライブ有実況スレの起源から文化、注意点までを幅広くご紹介しました。
一見すると荒れた場所に見えるかもしれませんが、そこには確かにファンたちの“もうひとつの声”が存在しています。
匿名だからこそ言えること、匿名だからこそ見えてくる空気感もあるのだと、あらためて感じています。
もちろん、すべてを肯定するつもりはありませんし、すべてを否定するものでもありません。
あくまで一つのネット文化として、有実況スレを理解し、距離感を保ちながら付き合っていくことが大切だと思います。
配信を楽しむ方法は人それぞれですし、表も裏も含めて「ホロライブが好き」という気持ちは変わらないはずです。
本記事が、皆さんのホロライブファン活動をより深く、より自由に楽しむヒントになれば幸いです。
これからもホロライブという素晴らしいコンテンツと、そこに関わるすべての人たちを、適切な距離で応援していきましょう。
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