ホロライブと5ch「リーカー」について

リーカーとは何者か

「リーカー」とは、インターネット掲示板上でホロライブに関する内部情報をリーク(漏洩)すると称する匿名投稿者たちの総称です。
元々は英語の“leaker”に由来する言葉で、5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)のホロライブ関連スレッドで使われ始めました。
通常の生活や会話で「リーカー」という単語はほとんど登場しないため、掲示板の常連用語といえます。
リーカーという言葉は暴露者や内部情報の漏洩者を指し、ホロライブファンの間では「内部告発者」的なニュアンスで使われています。

5chにおけるリーカー出現の経緯

ホロライブが人気を博し始めた2019年頃から、掲示板上では様々な憶測や噂話が飛び交うようになりました。
当初は根拠の薄いファンの推測や悪戯半分の書き込みが多かったのですが、次第に「自分は内部関係者だ」という風に振る舞う匿名投稿者が現れ始めました。
2020年以降、ホロライブ内で大きな動き(新メンバー発表や卒業、炎上事件など)がある前後になると、決まって「何々が起こる」という予言めいた書き込みが5chに投稿されるようになりました。
これがいわゆるリーカーの始まりであり、最初期には半信半疑ながらも注目を集める存在になっていきました。
中でも2021年、人気タレントの卒業発表に先んじて「とあるスポンサー企業との軋轢が原因」とするリーク動画が出回った例では、その情報の怪しさから「結局デマではないか」という見方が強まりました。
しかし皮肉なことに、そのような不確かな情報源であっても、一度予告された出来事が現実になると、リーカーの存在感は一気に増していきました。

リーカーたちの典型的な活動内容

リーカーが掲示板に投稿する内容には、いくつかのパターンが見られます。
もっとも典型的なのは「○○が卒業(引退)する」「内部で△△が起きている」といったものです。
例えば「近々ホロライブで複数のメンバーが卒業発表する」という書き込みや、「某メンバーの企画が潰されたのは内部対立が原因」という主張などが挙げられます。
実際、2025年の春先には「海外組のメンバーAと新人Bが卒業予定」「5月に日本人メンバーが2人辞める」という複数の卒業予告が匿名掲示板に流れ、ファンの間で不安と憶測を呼びました。
また別の典型例として、社内の連絡ツール(Discordなど)のスクリーンショットが貼られることもあります。
2025年4月には「ホロライブ全体で行うゲームイベントの企画書が社内チャットから漏れ出た」として、ある画像が掲示板に投稿され大騒ぎになりました。
このようにリーカーたちは、メンバーの卒業・解雇に関する予言、未発表プロジェクトの情報、内部者しか知り得ないはずの会話内容などを材料に、「自分は真実を握っている」とアピールするのが特徴です。
中には「元ホロライブスタッフ」を名乗ってブログサービスに告発文を公開する者まで現れ、内容の真偽に関係なくファンを動揺させるケースも見られます。

リーク情報の的中率と信頼性

結論から述べると、リーカー情報の信頼性は極めて低いのが実情です。
ごく稀に投稿内容が現実と符合することもありますが、それも偶然か後付けである場合がほとんどです。
例えば2025年前半に掲示板を賑わせた「複数のメンバーが卒業する」という噂も、実際には該当の時期に誰一人卒業しなかったため、結果的に完全な誤情報でした。
ある匿名の投稿者が「海外組のXさんが辞める」と書き込んだあと実際にホロライブENの一人が休止したことがありましたが、それも推測の域を出ず、リーク自体が本物だった証拠はありません。
むしろ、多くのリーク予告は外れるか、または内容が大幅に誇張・曲解されています。
一方で、リーカー情報に振り回されるファンがいるのも事実で、一度でも「当たった」ことがある投稿者がいると、その人物(匿名ではありますが)の過去発言を掘り返し、「この人は確度が高いリーカーだ」ともてはやす傾向もあります。
実際、「過去に特定メンバーの卒業時期を言い当てた」として一部で信頼を集めた匿名も存在しましたが、その後に投稿した他のリークは軒並み外れており、ごく一部の偶然が誇張されているに過ぎません。
総じて、リーカーが提供する情報の的中率は低く、真偽不明の推測混じりだと言えます。
信頼できる一次ソースや裏付けがない以上、匿名掲示板の書き込みは話半分以下に受け止めるのが妥当でしょう。

ファンの反応:信じる人々、疑う人々、反発する人々

リーカー情報に対するファンコミュニティの反応は、大きく三つに分かれます。
一つ目は内容を信じてしまう層です。
こうしたファンはリーク内容を真実だと前提し、SNSで拡散したり、「やっぱりそうだったのか」と受け止めたりします。
特に一度リーカーの予言めいた投稿が現実と重なった経験を持つ人は、「今回も当たるかもしれない」と考えがちで、リーク情報に踊らされてしまう傾向があります。
二つ目は懐疑的な層です。
彼らは匿名の情報に容易に飛び付かず、「ソース不明の噂話に過ぎない」と冷静に受け止めます。
掲示板内でも、「証拠はどこにあるのか」「ガセネタだろう」という書き込みが必ず見られ、リーカーに直接反論したり嘲笑するユーザーも少なくありません。
また一部のファンは、リーカー情報が自分の推しに対する根拠なき中傷や印象操作だとして強く反発します。
これが三つ目の反発・嫌悪する層で、彼らはリーカーを「ホロライブの癌」「卑怯者」呼ばわりし、厳しい言葉で非難します。
「匿名でメンバーを陥れるような真似は許せない」「公式からの発表以外信じない」といった毅然とした態度を示すファンも多いです。
実際、掲示板ではリーカー話で盛り上がる一方で、「本人たちが何も言っていないのに勝手な憶測を事実扱いするな」という声も根強く見られます。
ファン同士でもリーカー情報の扱いを巡って口論になることがあり、この問題はコミュニティ内の分断と対立も引き起こしています。

スレッド内での扱い:流行と急激な冷め

5chのホロライブ関連スレッドでは、リーカーの話題が出ると一種の祭り状態になることがしばしばあります。
特にリーク内容が刺激的だった場合、スレッドは瞬く間にその話題一色となり、投稿が殺到します。
例を挙げると、あるリークが的中しそうだという局面では、「やっぱりリーカーの言った通りだ!」と興奮気味に語るレスや、「次は誰が標的になるんだ?」と次なる情報を求めるレスで賑わいました。
2025年5月、大空スバルさんが配信中にリーカーに言及した際には、掲示板住民たちが驚きと面白がりで大量に反応し、スレッドが大いに盛り上がる事態となりました。
しかしその熱狂も長続きはしません。
時間が経ってリーク内容が誤りだと判明したり、大きな動きがないまま沈静化したりすると、嘘のように話題は下火になります。
「今回はデマだったな」「やっぱり当てにならない」という空気が漂い、急速に興味が失われるのです。
この流行と冷めのサイクルは何度も繰り返されており、多くのファンは次第に学習して懐疑的になってきているようです。
新たなリークが投下されても、すぐには飛び付かず「またか」と受け流す人も増え、リーカー情報そのものの影響力も徐々に低下していると言えるでしょう。

運営サイドの対応と姿勢

ホロライブ運営(カバー株式会社)は、内部情報の漏洩に対して非常に厳格な姿勢を取っています。
これは過去の事例からも明らかです。
2022年2月には、とあるホロライブ所属タレントが「業務上のやり取りを含む情報」を第三者に漏らしたことが発覚し、契約違反として即日契約解除という措置が取られました。
また2024年1月にも、機密情報を許可なく外部に漏洩したとして1期生メンバーの契約解除が発表されています。
このように、実際に内部者による情報漏洩が確認された場合、運営はタレントであっても容赦なく処分しています。
したがって、もし掲示板上のリーカーが本当にホロライブ内部の人物であるなら、特定された時点で厳しいペナルティを受けることは想像に難くありません。
一方で、運営サイドは匿名の掲示板上の噂一つひとつに公式コメントを出すことはありません。
公式発表があるのは、あくまで事実関係を確認した上で重大な契約違反が認められた場合のみです。
ただし内部的には、リーク騒動に対して迅速に動いている兆候も見られます。
2025年4月のDiscord流出事件後、ホロライブ運営は所属メンバー全員を集めた緊急ミーティングを開き、「情報漏洩は発覚次第クビ(解雇)になる」という旨を改めて周知したとされています。
実際、その直後に行われた配信でメンバーが「情報漏洩は辞める辞めないじゃなくてクビなんだよ」と冗談交じりに語った場面もあり、運営の厳しい姿勢が窺えます。
また、運営は表向きリーカーの存在について触れないものの、騒動の元になった問題には迅速に対処しようと努めています。
RUST企画を巡るメンバー間の疑惑がファンの間で高まった際には、運営が管理体制の不備を認めて改善を約束する声明を発表し、特定の誰かを責めることなく事態の沈静化を図りました。
こうした対応は、あくまで公式情報以外は認めないという毅然とした立場を保ちつつ、裏で必要な調査と処分を行うという、運営の基本方針を示しています。

リーク情報の拡散:まとめブログとSNSの場合

5ch発のリーク情報は、まとめブログやSNSを通じてさらに広範囲に拡散されることがあります。
有名な5chまとめサイトは、ホロライブ関連スレッドで盛り上がった話題を素早く記事にします。
リーカーに関する騒ぎも例外ではなく、「○○がリーク暴露!」「内部リークで大炎上」といったセンセーショナルな見出しでまとめられることが多いです。
実際、2025年4~5月のリーク騒動時には複数のまとめブログがスレッドの実況や反応を逐一記事化し、リーカー問題を取り上げました。
これにより、もともと5chを見ない層のファンにもリークの噂が伝わり、結果として憶測がTwitterなどのSNS上でも飛び交う事態になりました。
SNSでは、リーク内容の断片やまとめ記事のスクリーンショットが拡散され、一時トレンド入りするような盛り上がりを見せるケースもあります。
例えば「○○卒業リーク」といったワードが独り歩きし、公式が何も発表していない段階でファンコミュニティに動揺が広がったこともありました。
こうした状況に対して、一部の冷静なファンや有識者は「匿名掲示板の噂を拡散することの危険性」を説き、SNS上で注意喚起を行っています。
それでも、刺激的な内容はどうしても人目を引いてしまうため、リーカー情報はまとめサイト→SNSという経路で瞬く間に増幅されてしまう傾向があります。
その結果、公式が否定コメントを出さなくても、半ば事実であるかのように受け取られてしまう危険性も孕んでいます。
Yahoo!知恵袋のようなQ&Aサイトにも「リークでは誰が卒業すると言われているのですか?」といった質問が投稿されるなど、掲示板発の噂が思わぬ形で広まっている例もあります。
このように、リーク情報はインターネット上で伝言ゲーム的に拡散し、時に独り歩きしてしまうため、その影響範囲は無視できません。

批判的考察:リーカー現象がもたらすもの

以上のように、ホロライブに関するリーカー現象は断続的に発生し、ファンコミュニティに少なからぬ混乱と影響を与えてきました。
批判的に考察すると、リーカーたちの行為は匿名性に守られた無責任な情報拡散であり、結果的にメンバー本人や運営、そしてファン同士の信頼関係を損ねるリスクがあります。
たとえ一部に事実が含まれていたとしても、公式に確認されない限りそれは不確かな風説でしかなく、軽々に広めることは当事者の名誉やプライバシーを傷つけかねません。
実際、リーカーによって名指しされてしまったメンバーは、何も語れないまま根拠のない疑いの目を向けられることになり、大きなストレスを背負わされます。
一連の騒動では特定のメンバーがあたかも「内部犯」であるかのように噂されましたが、そういった個人攻撃的なリークには強い悪意が感じられます。
コミュニティの側もまた、リーカー情報への対応を誤れば、憶測が憶測を呼ぶ悪循環に陥ります。
匿名の書き込みを安易に信じてしまうことで、でっち上げの話を「事実」と勘違いし、さらなるデマや中傷が生まれる土壌を作ってしまう恐れがあるのです。
幸い、多くのファンは近年の度重なる騒動を経て免疫ができてきたようで、「変なリークは信用せず、公式や本人の言葉だけを信じる」という姿勢が広まりつつあります。
リーカー現象に踊らされないためには、ファン一人ひとりが情報の出所や確度に敏感になり、扇動的な匿名情報に冷静な疑いの目を持つことが大切です。
ホロライブ運営も引き続き内部管理の徹底と迅速な公式発信に努めていくでしょうが、最終的にはファン側のリテラシーが試されていると言えるでしょう。
リーカーたちの無責任なつぶやきに惑わされず、健全にコンテンツを楽しむことこそ、コミュニティ全体の利益になるはずです。

管理人のひとこと

今回のリーカー騒動を眺めていて感じたのは、匿名の情報に振り回される怖さです。
ホロライブは多くの人に夢や楽しさを与えてくれる存在ですが、そこに水を差すような噂話が出るたびに心がざわついてしまいます。
管理人個人としては、公式からのアナウンスが全てだと思っていますし、それ以外の怪しい話にはなるべく耳を貸さないようにしています。
ファンとして推しメンバーを信じる気持ちを忘れず、今後も健全にホロライブを応援していきたいですね。

最後までお読みいただきありがとうございました。これからも皆さんがホロライブを楽しく応援できますように。

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