1. キャラクター設定
夜空メルは、カバー株式会社のVTuber事務所「ホロライブプロダクション」所属(※現在は活動終了)で、1期生メンバーとして2018年にデビューしたバーチャルYouTuberである。
「魔界の天才ヴァンパイア」を自称する吸血鬼の少女で、挨拶の言葉は「こんかぷー!」。
ファンの呼称は「かぷ民」といい、吸血鬼が噛みつく擬音「カプ」から取られたユニークな名称になっている。
キャラクターデザインはイラストレーターの「あやみ」氏が担当し、Live2Dモデル制作はrariemonn氏、アップデート版(Ver2.0)はJujube氏、3Dモデルはトミタケ氏が手掛けた。
金髪で露出度の高いセクシーな衣装デザインも特徴だが、Live2Dモデルと3Dモデルとで細部のデザインが異なっている。
設定上は吸血鬼でありながら「血が苦手でアセロラジュースが大好物」というギャップのあるプロフィールも持ち合わせている。
デビュー当初はスマートフォン向けアプリ「ホロライブ」内で活動するLive2DモデルのVTuberとしてスタートし、当初予定されていた3Dモデルでのデビューは見送られた。
その後、2019年4月に待望の3Dモデルがお披露目され、2019年8月には公式イベント「ホロライブサマー」に合わせて水着衣装も公開された。
さらに2020年お正月には晴れ着姿の新衣装も実装され、初期衣装との差分もファンを楽しませた。
モデル面では進化を続けており、2021年8月にLive2DモデルのVer2.0へのアップデート、2022年7月にはVer3.0へのアップデートが行われ、表情の追従性能など大幅に向上した。
2. VTuberとしての活動
夜空メルの配信スタイルは、その甘い声とおっとりとした口調に強く表れている。
これらの魅力を活かし、歌ってみた配信や囁き声で癒やすASMR配信を中心に活動し、多くのリスナーをリラックスさせてきた。
ゲーム実況や雑談配信なども行い、基本的にはマイペースでゆるやかな雰囲気の配信が多めである。
配信中はリスナーに「メルちゃん」「メル先輩」と呼ばれ親しまれ、チャットのコメントに対しても優しく応じるため、ファンとの距離が近いアットホームな空気感が魅力となっていた。
また、持ち前のサービス精神で企画配信やコラボ配信にも積極的だった。ホロライブの後輩や同期とのコラボはもちろん、他事務所のVTuberや一般ストリーマーとのコラボ配信、ファンコミュニティ主催のゲーム大会などにも参加し、活動の幅を広げていた。
夜空メルはライブイベントへの出演経験も豊富である。所属グループが開催する公式コンサートにはほぼ皆勤で、2020年1月の「hololive 1st fes. ノンストップ・ストーリー」をはじめ、2020年末の2ndフェス、2022年の3rdフェス「Link Your Wish」、2023年の4thフェス「Our Bright Parade」など大型ライブに出演し歌やダンスのパフォーマンスを披露してきた。
さらに2021年5月にはホロライブ1期生全員による3周年記念ライブ「from 1st」に参加し、同期メンバーとの息の合ったステージを実現している。
このほかVRライブ「Cinderella switch」への出演や、VTuberフェス・企業コラボイベントなどにも多数登壇しており、配信外でも精力的に活動していた。
3. 人気エピソード・話題になった出来事
夜空メルは、ホロライブ1期生オーディション期間中の2018年5月13日にスカウトデビューという形で初配信を行い、1期生の中で最も早く活動開始したメンバーとなった。
2019年後半、夜空メルは所属スタッフからのストーカー・セクハラ被害に遭い、精神的負担から配信活動を休止する事態となった。
2020年5月16日、メル本人がTwitter上で被害を公表し、大きな波紋を呼んだ。
投稿によれば2019年10月頃から個人情報やスケジュールを把握した人物による迷惑行為が続いていたとのことで、彼女は友人の紹介で弁護士を立て加害者側と示談を成立させたと報告した。
これを受け、カバー株式会社は2020年5月25日付で公式声明を発表し、加害者が自社スタッフであったことを認めて謝罪した。
同社は再発防止策や本人への支援を約束し、ファンに対して発表が遅れたことを陳謝した。
約40日間の休止期間を経て、2020年6月25日に夜空メルは活動復帰の生配信を行った。
しかし配信は開始から10分で突如YouTubeに規約違反とみなされ配信がBAN(停止)された。
2度目の配信も開始直後にBANされ、3度目の配信でようやく最後まで完遂するという珍事が起こった。
このハプニングは「魔界の天才BANパイア」としてネタになり、メル自身も笑い話として受け入れていた。
復帰後は順調に活動を再開し、2020年1月29日にはチャンネル登録者数が10万人を突破した。
2022年5月13日の4周年記念配信では、5月から9月にかけて5ヶ月連続でオリジナル楽曲をリリースする大型企画が発表され、音楽活動への意欲も示された。
4. 中の人に関する情報(公開情報のみ)
夜空メルの中の人に関して、公に明かされている情報は多くない。
VTuber文化の慣習に則り、声優としての氏名や素顔、年齢などの個人情報は非公開であり、ファンも「中の人」について詮索しないのが一般的である。
メルはホロライブの一期生オーディション中にスカウト枠で参加しており、専用スマホアプリで配信するタレントとして抜擢されたという経緯がある。
これは当時としても異例のケースであり、他の1期生に先駆けて活動開始したことはファンの間で語られることが多い。
また、ストーカー被害に対して演者本人が毅然と対応した事例は、VTuber界における重要なケーススタディとされている。
2024年1月16日、カバー株式会社は夜空メルとの専属マネジメント契約を解除したと発表した。
理由は、社内から取得した機密情報ややり取りを無断で第三者に漏洩した契約違反行為があったためとされている。
この発表により、夜空メルのYouTubeチャンネル及びメンバーシップは2024年2月末をもって閉鎖された。
ホロライブ在籍中の動画アーカイブはすべて非公開化され、現在は公式に過去配信を視聴することはできない。
5. 他ホロライブメンバーとの関係性
夜空メルはホロライブ内でも交友関係が広く、特に同期や親しい後輩との絆が知られている。
特に癒月ちょことは「メルティキッス」(通称「メルキス」)というユニットを組んでおり、ASMR配信やゲーム実況、音楽活動などで多くのコラボを展開した。
2021年12月にはユニット初のオリジナル楽曲『Choco♡Melty』をリリースし、記念ライブでも披露している。
1期生同期の白上フブキ、夏色まつり、アキ・ローゼンタール、赤井はあととはデビュー当初から苦楽を共にしてきた仲間であり、1期生合同企画では団結力を発揮していた。
また、後輩メンバーにも優しく接し「メルお姉さん」と慕われていた。
ホロライブENやホロスターズとの企画にも参加しており、垣根を超えた交流が多かったのも特徴である。
誰とでも仲良くなれるムードメーカー的な存在だったと言える。
6. ファンの反応・人気の要因
夜空メルが長く愛された理由として、まず第一に挙げられるのがその癒やし系ボイスである。
リスナーからは「声を聞いているだけで安心する」「優しく包み込んでくれる感じが好き」といった評価が多かった。
特にASMR配信は高く評価されており、眠れない夜に聞いて安眠できたというファンも少なくなかった。
加えて、おっとりとした性格も人気の要因であり、ホロライブ内では「癒やし担当」として存在感を放っていた。
キャラクター設定や見た目とのギャップも魅力のひとつであり、セクシーな衣装と清楚な雰囲気のバランスがユニークだった。
YouTube規制との相性は悪く、BANを受けたこともあったが、ファンの間ではそれすらもネタとして愛された。
ストーカー被害などの苦境に負けず、復帰して活動を続けた姿勢もファンの心を打った。
配信ではファンへの感謝を忘れず「みんなのおかげで頑張れる」と語ることが多く、そのひたむきさが支持されていた。
デビュー当初は知名度が低かったが、地道にファンを増やし人気を積み重ねたタイプであり、派手なバズよりも継続的な努力で愛されてきた。
2024年の契約解除発表直後には、チャンネル登録者数が約87万人から一気に90万人を突破し、最後の足跡を残そうとするファンの動きが可視化された。
TwitterやYouTubeコメント欄には、彼女の卒業を惜しむメッセージが多数寄せられ、根強い人気を示していた。
7. 総評と今後の展望
夜空メルはホロライブ黎明期から活動を支えてきた功労者であり、VTuberシーン初期を代表する存在の一人である。
可愛らしさと癒やしに満ちたキャラクター性、地道ながら着実にファンを喜ばせる配信内容によって、多くの人に笑顔と安らぎを届けてきた。
活動の途中では困難や試練もあったが、そのたびに乗り越えて成長し、ファンと共に歩んできた物語は、今後も語り継がれるべきレガシーである。
2024年初頭をもってホロライブでの活動は終了したが、夜空メルが残したコンテンツや思い出は、ファンの心の中に生き続けている。
今後、本人がどのような形で活動を再開するのかは不明だが、彼女の才能と魅力が消えることはない。
ファンからは「いつまでも待っているよ」「メルちゃん大好きだよ」といった温かい声が今も寄せられており、その想いは色褪せることがない。
総評として、夜空メルはホロライブ初期を代表するVTuberの一人であり、その優しさと努力によって確かな存在感を示した。
新規ファンも、ぜひ彼女が歩んだ6年間の軌跡に触れてみてほしい。
きっと、夜空メルがなぜ多くの人々に愛されていたのかがわかるはずである。
管理人のひとこと
夜空メルさんは、ホロライブの中でも特に“心に寄り添ってくれる存在”でした。
このブログを書くにあたって改めて彼女の歩みを振り返ると、苦しい時期も前向きに乗り越え、ファンとともに少しずつ積み重ねてきた活動の重みを感じました。
決して派手な道のりではありませんでしたが、そのひたむきさや温かさに惹かれた人がどれだけ多かったか、あらためて実感しました。
現在はホロライブを離れてしまいましたが、メルちゃんがくれた優しい時間や、みんなで笑った配信の記憶は、ずっと私たちの心に残っています。
いつかまた、どこかで「こんかぷー!」と微笑む彼女に出会える日が来ることを信じて――この場を借りて、ありがとうの気持ちを届けたいと思います。
メルちゃん、本当にありがとう。そして、これからもあなたの幸せを願っています。
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