7月1日の正午、カバーが新しい公式Xアカウントを開設しました。名前は「ホロライブコミュニティ」、通称ホロコミュ(@holocommu)。「ファンとタレントを繋ぐ」と銘打たれたこのアカウント、開設初日の投稿にいいね7,000超が付き、2日目には荒咬オウガにいじられ、いきなり存在感を放っています。
ただの広報アカウントの追加ではありません。発表文を読み込むと、これは誹謗中傷・権利侵害対応の「常設窓口」という性格がかなり濃い施策です。何をするアカウントなのか、どんな文脈で生まれたのか、ファンは何をすればいいのかを整理します。
公式発表に書かれた3つの役割
カバーの発表によれば、ホロコミュの役割は3つ。①タレントの最新情報や活躍をリアルタイムで共有する、②ファンの活動や意見をキャッチアップする、そして③「ファンの皆様が不安に思うことが起きた場合には情報発信、迅速な対応を行う」。リポストやスタンプリアクションといった軽い反応からメンションへの返信まで、双方向の運用を予定しているとしています。
①と②は普通のファンコミュニティ運用です。目を引くのは③。企業の公式アカウントが「ファンが不安に思うことが起きた場合」への即応を役割として明文化するのは、かなり踏み込んだ設計です。発表文は「より安心して楽しめる環境の整備に向けて、アカウントの活動を深めていく方針」とも書いており、単発の施策ではなく育てていく前提であることも読み取れます。
これまでカバーの問題対応は、事案が起きるたびにプレスリリースで発表される形が基本でした。リリースは重い一方で速報性がなく、ファンが不安を抱えている数日間の空白を埋めるものがなかった。常設のリアルタイム窓口は、まさにその空白を埋めるピースです。
開設初日に出した「誹謗中傷&権利侵害対応」宣言
その性格は、開設からわずか30分後の投稿ではっきりしました。「📢誹謗中傷&権利侵害対応もしていきます📢」。悪質な投稿を見つけたら通報窓口へ、そして「反応はせずミュートにし、通報をお願いします」という行動指針を、初日のうちに打ち出しています。この投稿にはいいねが7,300超付き、開設日の最注目ポストになりました。
「反応せずミュート」の一文は重要です。悪質な投稿に引用や反論で反応すると、アルゴリズム上はその投稿を拡散する側に回ってしまう。正義感からの反撃がかえって火を大きくする構図を、公式が明確に断ち切りにきた形です。
「今でしょ!!!」──”中の人”の自我が強い
硬い話の一方で、このアカウント、キャラが濃い。ファンから「中の人は無理せず続けてくれっ!!!」とリプライされた際の返しがこれです。
「え?今頑張らずいつやるんですか?今でしょ!!!」。この自我の強さは早速話題になり、開設2日目にはホロスターズの荒咬オウガが「うーんこれは2024年くらいのAI」と返信をいじる一幕も。ノリの強い返信には「面白い」と「ちょっと寒い」で評価が割れており、「迂闊なひと言で炎上するのはよくあること。回答は広報経由にすべきでは」という運用リスクを心配する声も出ています。
文脈は3月の「開示請求30件」──法的措置の次は常設窓口
ホロコミュを理解するには、今年3月19日のカバーの発表を思い出す必要があります。「YouTubeやX等のSNS、匿名掲示板、まとめサイト等」での事実無根の情報流布に対し、1ヶ月で少なくとも30件程度の発信者情報開示請求を行うと公表した、あの強硬姿勢です。民事訴訟・刑事手続の検討にも言及し、対応状況の続報を公表していく方針も示されていました。
背景には、VTuberへの誹謗中傷が「キャラへの悪口」では済まない問題だという司法判断の積み重ねもあります。VTuberの演者に対する暴露や中傷を演者本人への権利侵害と認めた判例はすでに複数あり、法的に戦える土俵は整ってきている。企業側の姿勢の変化は、その流れの上にあります。
そして今回、PANORAは「ホロコミュのスタッフは誹謗中傷・権利侵害対応のスタッフとも連携し、今後の誹謗中傷への対応強化・抑制にも力を入れていく」と報じています。3月に「叩く体制」(法的措置)を作り、7月に「聞く窓口」(ホロコミュ)を常設する。攻めと受けの両輪が揃った──当サイトの見立てですが、時系列はそう読むのが自然です。
ファンは何をすればいい?──「反応しない、ミュート、通報」
ホロコミュが示した行動指針は3ステップです。悪質な投稿を見つけたら、①反応しない(引用・リプライ・スクショ拡散もNG)、②ミュートする、③通報窓口に報告する。対応には時間がかかるので「長い目で見てほしい」というのも公式の言葉です。
推しが叩かれているのを見たとき、一番難しいのが「反応しない」です。ただ、悪質な切り抜きやデマの拡散構造を見てきた身としては、この指針は理にかなっています。燃料を与えず、記録して、しかるべき窓口へ。ファンにできる最大の防御は、実は静かです。
歓迎と警戒──「タレントとファンの距離」の新しい実験
ファンの反応は概ね歓迎です。「ホロメンとホロリスを繋いでくれるの?それは嬉しい」「ホロコミュ結構いいぞ、いいものRTしてくれる」と、ファンアートや切り抜きが公式に拾われる導線への期待は高い。誹謗中傷対応宣言のリプライ欄には、通報の手順や魚拓の取り方をまとめるファンも現れており、「静かに戦う」ノウハウがファン側にも共有され始めています。一方で、「担当者に負担がかからないよう体制の充実を」という気遣いや、前述の炎上リスクへの警戒も同居しています。
DM対応の有無や対応言語など、発表に書かれていない運用詳細も多く、このアカウントがどう育つかは未知数です。ただ、「ファンの不安に公式が即応する」と明文化したこと自体が一歩。まずは運用が軌道に乗るのを、ミュートと通報を覚えたファンとして見守りましょう。
よくある質問
ホロコミュとは?
カバーが2026年7月1日に開設した公式Xアカウント「ホロライブコミュニティ」(@holocommu)です。タレント情報の共有、ファンの声のキャッチアップ、問題発生時の情報発信・迅速対応の3つを役割として掲げています。
普通の公式アカウントと何が違う?
ファン発の活動(ファンアートや切り抜き)への反応と、誹謗中傷・権利侵害への対応窓口という双方向機能が明文化されている点です。誹謗中傷対応のスタッフと連携して運用されると報じられています。
誹謗中傷やデマを見つけたらどうすればいい?
ホロコミュの公式指針は「反応はせずミュートにし、通報窓口へ報告」です。引用や反論での反応は拡散に加担してしまうため推奨されていません。対応には時間がかかる旨も案内されています。
「中の人」は誰?
非公表です。ノリの強い一人称の返信が「自我が強い」と話題になっており、荒咬オウガが「2024年くらいのAI」といじる場面もありましたが、運用者の素性は明かされていません。
フォローしておくべき?
ホロライブのファンならフォローする価値は高いです。ファンアートや切り抜きの公式紹介が流れてくるほか、騒動やデマが発生した際に公式の一次情報が最速で得られる窓口になることが期待されています。
3月の発信者情報開示請求とは関係ある?
カバーは2026年3月19日に、まとめサイト等での誹謗中傷に対し30件規模の発信者情報開示請求を行うと発表しています。ホロコミュがその対応チームと連携する旨は報道されていますが、両者を直接結びつけた公式発表はありません。
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管理人のひとこと
「反応せずミュートして通報」。地味ですが、これを公式が言い切ったのは大きいと思います。ファンの正義感は、使い方を間違えると一番の延焼装置になるので。
個人的には「今でしょ!!!」の人にはこのまま元気でいてほしい。ホロライブについて発信する側の端くれとしても、一次情報を確かめて書く、の背筋が伸びる開設でした。
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